韓国で市民参加型インターネットメディアを展開するオーマイニュース。2006年8月の日本版創刊に当たって、初代編集長に『サンデー毎日』編集長やテレビ朝日『ザ・スクープ』の司会者を務めたジャーナリストの鳥越俊太郎氏を起用していた。その鳥越氏が1月13日で編集長を辞任することがわかった。創刊前の鳥越氏による「2ちゃんねるはゴミだめ」発言が引き金となりコメント欄が“炎上”状態になったり、佐々木俊尚編集委員にたびたび社内の内紛を公表されるなど、創刊以来、日本版オーマイニュースは混乱が続いた。そうした中での鳥越氏の辞任のため、オーマイニュース・インターナショナル代表取締役の呉連鎬氏が事実上解任したのではないかとの見方もある。後任編集長は定まっていないようで、オーマイニュースの迷走はまだまだ続きそうだ。
後任は元木昌彦氏か? 難航する後任人事
「鳥越氏は市民メディアやネット社会に対してあまりにも理解がない。向いていないのでは」。創刊当初から多く聞こえたこうした意見を受けてか、「鳥越氏が編集長を辞めるのでは」という話は、昨年10月下旬あたりから関係者の間で囁かれていた。後任の編集長候補としては、『週刊現代』元編集長の元木昌彦氏や『選択』次長の久田将義氏らの名前が噂されているが、現段階ではまだ決まっていないようだ。
周辺の関係者によれば、呉連鎬氏は、元木氏を中心に後任編集長の選出についての意見を、雑誌編集者やジャーナリストらに聞いて回っているという。実際に呉連鎬氏から相談された関係者は「話ぶりから察するに元木氏に絞っているようだったが、ほかで推薦できる人はいないかとも聞かれた」と話す。
鳥越氏「体調不良のため」、編集部「その事実はない」
鳥越氏に聞いたところ、“事実上の解任”という噂については「違う」ときっぱり否定した。編集長辞任の理由は「おもに体調による。ガンの手術のあとで、あまり無理しない方がよいと医者から言われており、私の方から(辞任の)申し入れをした。辞めるのは13日だが、実は本日(11日)から検査入院している」と語った。
一方、オーマイニュース編集部にコメントを求めたところ、なんと「鳥越氏が編集長を辞任するという事実は今のところまったくない」という。鳥越氏本人より辞任する旨を聞いたと伝えると「会社としてはそれ以上は答えられない。どこからそうした情報を得たのかわからないが、なぜそういうことになっているのか困惑している」と話した。
呉連鎬氏は韓国へフライトしており不在、とのことで“代理”と名乗る人の回答だが、鳥越氏の辞任が2日後に迫っているなかで社内に情報が伝わっていないとは考えられない。表向きは否定するところを見ると、それだけ後任選びが難航しており、社内の混乱ぶりを隠したいというのが本音ではないか。
(増田美智子)
切込隊長BLOG(ブログ)~俺様キングダム~
鳥越俊太郎さん、お疲れ様でした
どちらかというと、ネタで済まされる傾向の強かった某サービスではありますが。あくまで個人的な意見として申しますと、かのサイトで語られていた市民記者主体の構成というのは、主義主張としては賛成できるものではありませんでした。これはフラワーだからとか、左翼的だとか、平和ボケだとか、いろんな側面はありましたけれども、私の私固有の価値観から申しますと、相容れないものであります。
また、サイトの運営会社自体が某半島の情報機関との結びつきが指摘され、それはそれで対日世論工作の一環じゃないのかといぶかる向きもありました。これは陰謀論みたいなものですので、嗜好品として味わうべき代物であります。
ただ、ネット右翼なる言葉に代表されるように、インターネット上の言説というものはかなりの程度ナショナリスティックなものが歓迎される傾向にあるのも事実です。そのなかで、国民のなかで一定の割合を占めているであろう左翼的志向の人たちが国論について語る場が荒らされない形で提示されることが少ないのは気になるところではありました。「ブサヨは死ねでございます」ということで、荒らされるわヲチされるわで誹謗中傷の嵐になることは目に見えています。
百家争鳴ではないですけど、ひとつの意見として、あるいは主張としての市民団体の発言は、もっぱら朝日新聞などの特定の媒体を通してしか目にすることが無く、彼らが彼らの言葉で事象を捉え、交流している場がネットにあまり存在しないのは片手落ちな気がしてなりません。彼らの主張に賛成はしないけれども、彼らが何を考え、どう主張しようとしているのかを知ることもまた、開かれたインターネットの一形態として意味があるように感じます。
ほとんどサファリパーク化してしまったネット社会ではありますが、一定の左翼保護区を形成しておかないと、本当の意味で右傾化社会の行き過ぎた象徴になってしまう恐れはあると思います。無論、私は保守主義者ですからそれが居心地が良いのも確かですけれども、歴史を見るに、行き過ぎた主張で世論が引っ張られたり、ある特定の意見で大勢が占められてしまい多様性を失い過激化する構造、あるいは、それに対する一般社会の反発が広がって、逆にオーバーシュートして弾圧される、といった好ましくない事例もたくさんあるのです。
あのサイトをどうにかしよう、という発想は無価値だとは思いますけれども(だって韓国資本の良く分からんサービスですし)、もう少しやりようはあったのではないかな、とちょっとだけ思いました。本件が経験値となって、もっと多様化した言説がネット内で広がることを期待してやみません。
OhmyNews
一部のインターネットメディア記事について
2007年1月11日午後、一部のインターネットメディアにおいて、当社サイト「オーマイニュース」編集長である鳥越俊太郎が辞任するとの記事が掲載されましたが、これらはまったくの事実無根です。当該インターネットメディアには、1月11日当日中に記事のすみやかな削除および同サイトへの謝罪文の掲載を要望しております。
オーマイニュース・インターナショナル株式会社
鳥越氏に関しては、実はそんなに嫌いじゃない。筑紫に比べれば全然マシ。
ただ、情報革命に追いつけないオッサンだっただけのこと。もう少しネットのことを勉強してからの方がよかったのではないか。あと、シャツの第二ボタンも締めたほうがよい。