C-NET JAPAN
毎日新聞「ネット君臨」取材班にインタビューした
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(前略)
「男という表現は、単に性別を表現しただけです」
――「ネット君臨」記事ががんだるふ氏を「男性」ではなく「男」と表現したのは、どのような意図だったのでしょうか。
池田氏 これを佐々木さんはネガティブな表現だとおっしゃるが、これは単に性別を表記しただけで、特別な意図をもって表現したわけではありません。
――ご冗談を。本気でそうおっしゃっているのですか?
池田氏 それは佐々木さんの主観かもしれないですよね。
――通常、相手に対して敬意を持っている場合に「男」と表記するケースは非常に少ないと思いますが。
池田氏 たとえば過去、新聞連載で読んでいただければわかるが、普通に女性について「女」という表記を使ったこともあります。繰り返しになるが、特別な意図を持っていたのではなく、性別を表しただけです。
(中略)
「どこの誰かすぐにわからなければ、実名ではない」
――がんだるふ氏がネット上でこのペンネームを20年以上にわたって使用していることはご存じだったでしょうか。
池田氏 取材班は、どのぐらいというのはわからないとしても、長期にわたるハンドルネームを使っているというのは承知していました。
――このように長期にわたって使われている通名(ペンネーム)の実名性についてどのようにとらえられていますか。
池田氏 通名と実名は、本質的には異なるものであると考えています。
――通名と匿名は?
池田氏 匿名と通名は、どこでの掲載という問題がある。書かれた側からすれば、どこの誰かがわからなければ、匿名と同じであるし、誰かわからなければ、実名であるとは考えない。
――ではたとえば、鈴木一郎さんという平凡な名前の人物が実名でネット掲示板に書き込み、他人を批判した場合には、それはOKということでしょうか?
池田氏 それはだめでしょう。どこのだれかわからなければだめです。書かれた側がどこの誰であるかわかれば、理解できるけれども、少なくとも、ありふれた名前がどこのだれかわからなければ、それは実名とはいえない。
――では会員制のSNSなどで、アイデンティファイされたペンネームで批判するケースは?
池田氏 それはケースバイケースでしょう。
――たとえばがんだるふ氏はどうなんですか。
池田氏 がんだるふ氏はどこのだれかがわからない。書かれた側がわからなければ、実名とは言えません。
――がんだるふ氏はミクシィの会員で、アイデンティファイは可能だと思いますが。
池田氏 書かれた側がすぐにわからなければ、それは実名ではありません。
――書かれた側がすぐに特定できるというのは、どのようなケースをおっしゃってるのでしょうか? 具体的な実例を言ってみていただけませんか。
池田氏 それは今回の(がんだるふ氏の)ケースに結びついていくので、控えさせてください。
――たとえば住所氏名を書いていれば、実名ということなんでしょうか。
池田氏 それはそちらの判断に任せます。
「匿名言論を否定するつもりはありません」
――匿名による言論活動について、一般論としてどうお考えですか。
池田氏 匿名の言論を否定しているわけではありません。ケースバイケースで、内容によって判断していくといことです。
――「誰が言ったか」という属人的なとらえ方ではなく、「何を言ったか」という本質的なとらえ方をすべきだという意見についてはどう思われますか。
池田氏 それについても、内容によって判断すべきでしょう。
――「内容によって」というのは、具体的にはどのような内容の場合は許され、どのような場合は許されないということですか。
池田氏 ケースバイケースです。
――もう少し具体的におっしゃってください。
池田氏 権力を告発し、その告発者に被害が及ぶ可能性があるケースや、内部告発のケースがそうです。われわれとしては匿名による言論を否定するつもりはないんです。
――しかし内部告発においても、告発する側は正義だと信じ、しかし告発される側は「匿名による誹謗中傷だ」と受け止めるようなこともケースが起きてきますね。線引きをするのは難しいのではないですか。どこで線引きするのでしょう。
池田氏 検証するんです。
――誰が検証するんですか?
池田氏 それを佐々木さんにお答えするわけですか?
―― お願いします。
池田氏 それは控えさせてください。批判が正当な内容なのかどうかについて、われわれは裏付けをした上で取材を進めています。
――たとえば今回の「さくらちゃん」問題における、トリオジャパンの不透明な会計についても裏付けを取られたのでしょうか。
池田氏 その裏付け取材は行い、資料も入手しました。その結果として(ネット君臨の)記事になったのです。
――トリオジャパンの会計が公正なものであるという裏付けを取られたのであれば、それは「さくらちゃん」問題で批判されている両親に対する強力な支援となる内容だと思うのですが、なぜ記事化されなかったのですか。
池田氏 (記事化しないという)そういう判断をしたということです。
「真摯に向き合っているつもりだが……残念ですね」
――取材班の記事が匿名であるのに対し、取材対象に実名を求めるのはバランスを欠いているのではないかと思いますが、どうお考えですか。
池田氏 まず第一に、この記事は毎日新聞の紙面で連載しています。その前提で、連載の最終回に取材に関わった記者の名前はすべて載せています。チーム取材班として複数の記者が関わっているわけですから。
――取材の可視化という問題についてどう受け止めていらっしゃいますか。
池田氏 それは取材の内容によってさまざまであると考えています。取材源の秘匿の問題もありますし。基本的には、取材する側とされる側の信頼関係としか言いようがないと思います。一方で、社会に報道しなければならない事実については、報道していく責任がある。そういうことが、ケースバイケースで起きてくるわけですから、個別問題で判断していくしかないですね。
――がんだるふ氏は「信頼関係がなかった」と指摘していますが。
池田氏 真摯に向き合っているつもりだが、そう認識されていないとしたら、残念ですね。
――なぜ信頼関係ができなかったのだと思いますか。
池田氏 取材の内容を、第三者である佐々木さんにお話ししなければいけないのですか? それをお答えするのは筋違いだと思います。われわれとしてはきちんと相手の了解を得たうえで記事化したと考えています。われわれとの認識の間に差があるということですね。
省略部分も面白いので、リンク先の記事でご覧ください。
佐々木氏のスタンスは、旧来のマスコミに不満を感じているネットユーザーのスタンスとほぼ100%同じですね。ご本人は代弁してるつもりはないでしょうけど、こちらとしては「もう、全部任せた」という気持ちになります。
んで、毎日新聞の「本名且つどこのだれだか分からなければダメ」というお話ですが、これについても私が普段感じてることを佐々木氏が代弁してくれちゃってます。
本名とは何ぞや?
本名っぽい名前ならOKなの?
本名であることをどうやって担保するの?
本名本名と騒ぐ割には、その具体的な内容が全然見えてこないんだよね。肝心なところは答えを控えさせて頂いてるわけで。結局、ネットの「闇」という部分に焦点を当てたいがための手段に過ぎないことが分かる。
それと、「権力を告発するような場合は、匿名でおk」とのことだが、その「権力」にマスコミが含まれていることを自覚していない点が痛い。
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無題
毎日新聞様がたいへんお世話になっている、某大口スポンサー様のことを、実名で批判できるのなら、この池田某という奴の話も少しは説得力を持つんでしょうが。
ぜひ、試してみませんか。実名で。鳥肌実のように。
ぜひ、試してみませんか。実名で。鳥肌実のように。
無題
>本名とは何ぞや?
>本名っぽい名前ならOKなの?
>本名であることをどうやって担保するの?
ここで小倉弁護士提唱の「小倉式共通ID制度」導入ですよ
客観的な基準など無く、 「自分が攻撃されたと思ったら」 請求すると容易に 「起訴が出来うる程度の個人情報」 をゲットできると言う夢のような技術構想です
え?プライバシーの権利ですか?
そんなことを言うとは、あなたは攻撃によって泣き寝入りする被害者を容認するとおっしゃるのでしょうか?
>本名っぽい名前ならOKなの?
>本名であることをどうやって担保するの?
ここで小倉弁護士提唱の「小倉式共通ID制度」導入ですよ
客観的な基準など無く、 「自分が攻撃されたと思ったら」 請求すると容易に 「起訴が出来うる程度の個人情報」 をゲットできると言う夢のような技術構想です
え?プライバシーの権利ですか?
そんなことを言うとは、あなたは攻撃によって泣き寝入りする被害者を容認するとおっしゃるのでしょうか?
無題
これはあれですか、
それを使うと、痛めつけられるとか、
社会的、物理的に抹殺できるとか、
そういういわゆる「独裁者スイッチ」が
無いとダメってことですか?
それって、実名、匿名以前に、
民主主義じゃない、非人道的って
言いませんか?
それを使うと、痛めつけられるとか、
社会的、物理的に抹殺できるとか、
そういういわゆる「独裁者スイッチ」が
無いとダメってことですか?
それって、実名、匿名以前に、
民主主義じゃない、非人道的って
言いませんか?
無題
こんな記事が。
【毎日新聞が糸川議員の取材データ漏洩 ブログに掲載】
国民新党の糸川正晃衆院議員(32)が国会質問について脅迫を受けた事件に絡み、毎日新聞の記者が糸川議員を取材した際の録音データを外部の人物に横流しし、その結果、インターネット上のサイトに取材内容が掲載されていたことが23日、分かった。毎日新聞社は漏洩の事実を認めている。取材源の秘匿や保護をめぐり、同社の極めてずさんな実態が明らかになった。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/40478/
【毎日新聞が糸川議員の取材データ漏洩 ブログに掲載】
国民新党の糸川正晃衆院議員(32)が国会質問について脅迫を受けた事件に絡み、毎日新聞の記者が糸川議員を取材した際の録音データを外部の人物に横流しし、その結果、インターネット上のサイトに取材内容が掲載されていたことが23日、分かった。毎日新聞社は漏洩の事実を認めている。取材源の秘匿や保護をめぐり、同社の極めてずさんな実態が明らかになった。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/40478/