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おせち料理の食べ過ぎが気になりだしたころ、この番組を見て納豆を買いに走った。そんな人たちはさぞ驚き、憤慨していることだろう。
フジテレビ系の生活情報番組「発掘!あるある大事典2」で、納豆のダイエット効果を取り上げた7日の放送にいくつもの捏造(ねつぞう)があった。
やせる前後の写真は実験とは無関係の人のものだった、中性脂肪などの数値を実際は測っていなかった、米国の大学教授が発言もしていない内容を字幕で流した……。ひどい話である。
制作した関西テレビは調査委員会を作るという。報道機関として全容を明らかにするのは当然だ。昨夜の放送を休み、アナウンサーが経緯を説明したが、これで視聴者が納得するとは思えない。
なぜこんなことが起きたのか。期待した教授に話が聞けないなど米国取材が難航し、スタッフが追いつめられた。関西テレビの幹部はそんな弁明をしている。
取材がうまくいかないのなら、もっと時間をかけるか、できる範囲で番組を作るしかない。そうしなかった背景として、二つの要因が浮かび上がる。
まず、番組作りの構造的な問題だ。関西テレビから受注した会社が別の会社に作らせた。こうした「孫請け」は取材の責任があいまいになりがちだ。新年最初の放送の締め切りが迫るなかで、制作現場は何とか結果を出そうと無理をしたのではないか。
もう一つ、現場の焦りを呼ぶのが視聴率至上主義だ。この番組は競争が激しい日曜夜9時台で10年も人気を維持してきた。周囲の期待が大きくなる一方で、素材が底をつくジレンマを抱える。
03年に日本テレビで視聴率の調査家庭に金品を渡す事件が起き、放送界は視聴率偏重の危うさを思い知ったはずだ。しかし、いま多くの局が健康ブームにつけこむような番組で視聴率を狙っている。
昨年、TBS系の番組で紹介された白インゲン豆を使ったダイエットで、多くの人が下痢や嘔吐(おうと)を訴えて入院する騒ぎがあった。不正確な情報は害にもなる。その教訓は生かされなかった。
なかでも「あるある大事典」には以前から批判があった。食はバランスが大切で、特定の食品のみで問題は解決しない。「番組が体に良いとしたため、その食品を制限すべき患者が指示を守らない」。そんな医師の嘆きも聞く。
テレビは公共の電波で仕事をしている。放送で納豆が売り切れるような現象も含めて、社会への影響にもっと敏感になるべきだ。娯楽番組だから大目に見てもらえる。そんな甘えがあるなら、テレビ離れはさらに進むだろう。
視聴者も、一つの情報に振り回されない賢さを身につける必要がある。内容をうのみにするのは危うい。命にかかわる健康情報ならば、なおさらだ。
視聴者や読者の厳しい目を常に意識して、メディアは自らを律したい。それはテレビも新聞も変わりはない。
テレビを見なくなって何年もたつが、その理由は見てて痛々しいから。
内容がつまらないだけなら別につけっぱなしでも害にはならないが、才能の無い芸人やタレントが創価学会信者と言うだけで画面を占拠し、素人レベルのギャグを現場のスタッフが無理に笑って視聴者に笑いを強制したり、タレント気取りの女子アナウンサーのアマチュア芸を見せられたり、とにかく苦痛。
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